「どんな列車に乗りたいか」で旅のテーマを決めるのも、ローカル線の楽しみ方のひとつ。
例えば海岸線を走るリゾート列車や、環境に優しい新型蓄電池電車、目にも楽しいラッピング列車に、地元の人とふれあえるイベント列車…。
個性豊かな列車の旅は、乗車体験そのものが、忘れられない思い出になりますよ。
海岸の絶景に、方言の行き交う里山、希少な温泉、当地でしか味わえないグルメなど、どこで降りても「しみじみ」楽しいローカル線。中でもぜひ一度は降り立っていただきたい、各線イチオシの駅をご紹介します。
どこに行こうか迷ったら駅員がサポートしますので、ぜひお気軽にお声を掛けてくださいね。
移りゆく車窓の風景は、旅情をかきたてる最大のエッセンス。神秘的な日本海、青々とした森林、古き良き田舎を思わせる山里の景色。
ある人にとっては珍しく、ある人にとっては懐かしい…素敵な車窓のワンシーンを、旅の思い出にお持ち帰りください。
秋田駅から五能線を経由し、青森県にある弘前駅・青森駅を結ぶ列車です。リゾートしらかみでの旅には、風光明媚な日本海の海岸線や世界自然遺産「白神山地」の絶景、車内イベントなど魅力がたくさんあります。
五能線沿線には絶景ポイントが随所にありますが、秋田県・岩館駅~青森県・大間越駅間の、海岸線が続くエリアが特におすすめです。海岸線のすぐそばを走行し、眼下に見下ろす景色をゆっくりお楽しみいただけるよう、一部区間では速度を落として運転します。
また、天気が良ければ日本海に沈む夕日もバッチリ見えます。夕日を見るならリゾートしらかみ6号(弘前駅16:06発)がおすすめです!
岩館駅~大間越駅間
夕日の海岸線(岩舘駅~大間越駅間)
リゾートしらかみは、現在3つの編成で運転しています。
それぞれの個性あふれる編成についてご紹介します。
世界自然遺産である白神山地のブナ林をイメージした「橅編成」
「橅編成」は2016年に新型車両がデビューしました。
内装には、シンボルツリーであるブナや秋田杉、青森ヒバなどを使用しており、車内でも自然を感じられます。
3号車に設置しているORAHOカウンターでは、地酒や白神山地の水を使った珈琲、オリジナルの鉄道グッズ等をお求めいただけます。
橅編成
ORAHOカウンター(3号車)
日本海の水平線と十二湖の青池をイメージした「青池編成」
青池編成には、車両の窓と一体化した透過型ディスプレイ「e-モーションウインドウ」を試験搭載しています。日本初の取組みで、車窓からの景色に表示を重ねることができ、天気や沿線の観光情報をご覧いただけます。
青池編成
日本初!e-モーションウインドウ
白神山地に生息するクマゲラと五能線の夕日をイメージした「くまげら編成」
リゾートしらかみの中では唯一、旧国鉄時代につくられた車両(キハ48形)であり、3つの編成の中で一番の歴史を持つ車両です。
くまげら編成
観光列車として人気のリゾートしらかみで行われている、ご当地ならではの3つの車内イベントをご紹介します!
※列車や運行日によってイベントが異なりますので、事前にホームページなどでご確認ください。
津軽伝統 金多豆蔵(きんたまめじょ)人形芝居
リゾートしらかみ1号の五所川原駅~弘前駅間、4号の新青森駅~弘前駅間で行われています。
金多豆蔵人形芝居は青森県中泊町の無形民俗文化財に指定されています。
津軽弁で繰り広げる「金多」と「豆蔵」の二人の、愉快なかけあいをお楽しみいただけます。
金多豆蔵人形芝居
津軽弁での「語りべ」実演
リゾートしらかみ3・4号で、岩木山を望む陸奥鶴田駅~川部駅間で行われます。
津軽に古くから伝わる昔話を、地元の方が津軽弁でやさしく語ります。
どこか懐かしい気分にさせてくれる心地よい語りべです。
津軽弁「語り部」実演
津軽三味線生演奏
リゾートしらかみ1・2・3号の五所川原駅~鯵ヶ沢駅間で行われます。
独特の速いテンポで、叩きつけるようなバチ弾きが特徴の津軽三味線。
代表的な民謡「津軽じょんがら節」などを力強い生演奏で、迫力をお楽しみいただけます。
津軽三味線生演奏
「ごのたび」とは、五能線のモバイルオーダーシステムで、スマホひとつで予約と決済ができます。
事前にスマートフォンなどからご注文いただくことで、沿線のお店のお弁当やスイーツを乗車当日に駅のホーム等で受け取れます。「ごのたび」で沿線の食を味わいながら、新しい旅のスタイルをお楽しみください。
詳しくはコチラ⇒ ごのたび
商品の受け渡しの様子
「ごのたび」メニューのひとつ 牛ローストビーフ弁当3,240円
(ポンレヴェック 秋田)
リゾートしらかみの旅には、ご当地ならではの駅・車内でのイベントや日本海と白神山地が織りなす四季折々の絶景シーン、地元の食など魅力が詰まっています。一人旅でゆっくり景色を眺めるのもよし、大切な人と感動を共有するのもよし、リゾートしらかみには様々な楽しみ方があります。ぜひリゾートしらかみに乗って、秋田・津軽エリアの魅力を満喫してみてください!
詳しくはコチラ⇒ 五能線の旅
乗りたい列車~男鹿線を走る交流蓄電池電車EV-E801系「ACCUM」
「秋田の4あわせ鉄道博覧会」。JR男鹿線と奥羽本線を走る「ACCUM」(アキュム)をご紹介します。
JR男鹿線はJR奥羽本線追分駅から男鹿駅までを結ぶ全長26.4kmの路線です。
「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産登録にもなった男鹿のナマハゲや寒風山などで知られる男鹿半島エリアのお出かけに是非ご利用ください。
JR男鹿線の歴史
JR男鹿線の歴史は深く、1916年に全線が開通。建設当時は船川軽便線(後に船川線)と呼称され、船川港の近代的整備とその貨物輸送を目的として建設が進められました。建設当時の駅周辺は築港による埋め立てで整備され、列車は会場に建設された防波石垣の上を走行していました。現在は、市街地化によりその名残が少なくなっていますが男鹿駅付近では海側に寒風山で算出される男鹿石で組み立てられた防波堤の名残を臨むことができます。
また、男鹿線では石油輸送が行われていた時期もあり脇本駅構内には貨物積載用の側線跡が隣接する林と線路の間に残るほか、男鹿駅前に位置する「道の駅オガーレ」ではその歴史を伝える展示パネルや踏切が残されています。
【4K】【車窓動画】「男鹿線」ACCUM EV-801系(交流蓄電池電車)秋田→男鹿 タイムラプス編 - YouTube
【4K】【車窓動画】「男鹿線」ACCUM EV-801系(交流蓄電池電車)男鹿→秋田 タイムラプス編 - YouTube
<こちらの動画で男鹿線の沿線の風景や、防波石垣の痕跡をご確認いただけます>
交流蓄電池電車ACCUM
男鹿線を走る列車は2021年3月のダイヤ改正で全ての列車が交流蓄電池電車EV-E801系「ACCUM」に統一されました。赤と青の外観は男鹿のなまはげをイメージし、内観はなまはげが纏うケデと呼ばれる藁をモチーフとしたデザインとなっています。
交流蓄電池電車は、蓄電池へ充電した電力を利用して非電化区間の走行を可能にするもので、この機構により電化されている秋田~追分駅間の奥羽本線上では走行用の電力を受電しながら蓄電池への充電を実施、非電化区間である男鹿線追分駅から男鹿駅までの非電化区間を蓄電池によって行っています。また、終点の男鹿駅では到着後の折り返し停車時間を利用し専用充電設備から復路の準備を行っています。男鹿駅にお越しの際は、ホーム上にある充電設備にもご注目ください。
男鹿線は、100年を超える路線の歴史と新型の交流蓄電池電車の活躍を楽しめる他、「男鹿のナマハゲ」や秋田のウユニ塩湖とも呼ばれる「鵜ノ崎海岸」など魅力的な観光地も沿線に盛りだくさんです。
古きと新しきが融合した魅力たっぷりの路線を利用して是非男鹿半島へお出かけください!
沿線の人気スポットである鳥海山木のおもちゃ美術館のオープンに合わせ、2000年に導入されたYR-2001をリニューアルした車両。車両のデザインは、鳥海山木のおもちゃ美術館の総合デザインも担当した「オフィスフィールドノート」の砂田光紀代表が担当した。砂田氏は、数多くの鉄道車両のデザインを手掛ける工業デザイナーの水戸岡鋭治氏とも親交があり、今回の車両デザインもその影響を色濃く受け継ぎ、多種多様な木材を使用した素敵な空間となっている。
このおもちゃ列車には子供も大人も楽しめる2つの特徴がある。
1つ目は、県内の様々な種類の木をふんだんに使用した車内である。曲げ木の技術を駆使したインテリアやたくさんの木のおもちゃで遊べるキッズスペースを設け、親子で楽しめる“列車から始まる美術館”をご体験いただくことができる。
2つ目は、大人が楽しめるイベント列車だ。萱場社長が目指す、地元由利本荘市にスターを作りたいという思いから、地元にお店を構える若手経営者の方々に声を掛け、由利高原鉄道の新しい可能性にご協力をいただいている。最近では、地元イタリアンの有名店「affetto akita」とのイタリアン列車やバーの雰囲気を体験できるBARトレインの運行などを行い、大盛況となった。
乗ったことがある方はもちろん、乗られたことがない方もぜひ一度、鳥海おもちゃ列車「なかよしこよし」へのご乗車お待ちしております。
2021年5月「北海道・北東北縄文遺跡群」がユネスコ世界文化遺産に「記載」の見通しになったというニュースが全国を駆け巡りました。17ある遺跡の中には、秋田内陸線の縄文小ケ田駅から徒歩5分のところにある「伊勢堂岱遺跡(いせどうたいいせき)」も含まれています。
秋田内陸線沿線には、この他にも縄文時代の遺跡が5か所もあり、より身近に縄文文化に親しんでいただけるよう、2021年2月観光列車がリニューアルデビューしました。その名も「秋田縄文号」。車体は縄文土器を連想させる濃い茶色に縄文模様が描かれています。車内には、沿線にお住いの絵手紙作家、鈴木一枝(すずきかずえ)さんによる土偶、岩偶のイラストが描かれていて、特にトイレの壁紙はかわいいと評判です。展望列車ならではの大きな窓から、縄文時代の歴史旅を楽しめる列車です。
ふだん遺跡の保存管理や研究に携わっている榎本剛治(えのもとたけはる)さんも、この「秋田縄文号」に興味津々の一人です。
榎本さんは、小学生の頃から「目に見えない世界」に魅力を感じ考古学の道に進みました。長く伊勢堂岱遺跡に携わり、果たして縄文時代にスポットライトが当たる日が来るのかという疑問があったそうですが、徐々に心境が変化していったと言います。それは、「遺跡を実際に見た人が縄文時代に興味を持ち、そこから人から人へと思いが繋がり、保存活動へと繋がっていった。人から人へというその動きは、ユネスコ世界遺産登録へも繋がるということを実感した」ということです。現在、榎本さんは伊勢堂岱遺跡縄文館で魅力を発信していますが、秋田縄文号を第二の縄文館ととらえ、「縄文時代に興味を持つきっかけとなりうる存在。令和の時代と縄文時代を繋げている列車」と話してくれました。
五能線は、秋田県能代駅方面と青森県川部駅方面からそれぞれ敷設され1936年に全線が開通しました。敷設工事は、青森側と秋田側双方から進められましたが青森側では1918年時点で私鉄の陸奥鉄道が川部~五所川原間を開業、秋田側では1908年に能代~能代町が開業していました。そのため、この未敷設だったこの区間を結ぶ路線名称として「五能線」が選ばれました。
五能線建設に係る資料には、当時の建設名称として能五鉄道期成会(五所川原と能代の位置が逆)というものがあるほか、第四十一回帝国議会衆議院で秋田県の斎藤宇一郎代議士が「有望なる日本海の漁場が開発されたときに交通機関が必要」と唱え、能代~鯵ケ沢~三厩に至る路線を提唱した記録が残っています。歴史にもしもがあれば五能線は、能五線や三能線と呼ばれていたのかもしれません。
八森駅に停車するGV-E400系
八森駅は「椿駅」として1926年に開業し、後に現在の駅名へと改称されました。秋田杉で作られた大きな三角形の木造建屋が特徴で「東北の駅百選」にも選ばれています。また、ホームからは日本海と世界自然遺産白神山地を臨むことが出来るのも特徴です。
当駅は、高台に位置し住宅街まではつづら折りの階段となっていますが、雪国ならではの木造の覆いが独特の様相で続いているほか年季の入った階段が雰囲気を高めています。階段を上りきるとホームの間に少し空間があり、かつてここに何本かの線路が敷かれていた跡が広がっています。
三角屋根が特徴の八森駅舎
ホームに降りると、屋根付きの階段が目に入ります
石積みの階段からは神社のような神々しさを感じます
駅舎側から中段までは幅広く、その先は少し細い作りになっている
ホームからかつての線路跡を臨む
五能線は旅客の輸送に留まらず、沿線の特産品であるリンゴやお米、ハタハタなどの貨物輸送も行われていたほか、五能線のイメージからは意外に感じるかもしれませんが、鉱石の輸送も行われていました。八森駅構内に残る線路跡は、秋田県八峰町にあった発盛鉱山(はっせいこうざん)への鉱石貨物輸送が行われていた専用線の線路跡です。
発盛鉱山は巨大な精錬所を擁しており、自鉱山の鉱石から純度の高い金属を取り出す精錬作業の他、鉱石を他箇所から購入して発盛鉱山で精錬するという作業も行っていました。そのため、貨物列車で鉱石を自社の工場に運搬するための線路が五能線から工場内へ設けられていました。
また、鉱山はその工場を稼働させるため近隣に発電所が整備されていました。五能線はディーゼルカーやSLが走る非電化の路線でしたがこの専用線は電化され電気機関車により貨車の輸送が行われていました。
1983年に八森駅の貨物輸送終了と共に専用線は廃止となりましたが、駅構内に残る線路跡や駅周辺にはかつて線路があった痕跡が随所に残っています。八森駅を訪れた際にはかつて八森を支えた発盛鉱山に思いを馳せて駅周辺にもお出かけください。
かつて電化されていた専用線。左側の貨車の上部に架線が見える
上記の専用線の現在の様子。クランク上の少し不可解な曲がり角が踏切跡であるを示す
【参考文献】
「八森町郷土史集 第3号 八森と日露戦争、五能線建設」日沼 浩一 1996年
消えた発盛 鉱山城下町 その栄枯盛衰 北羽出版社 1990年
男鹿線は奥羽本線追分駅(秋田市)を起点として、男鹿駅(男鹿市)まで営業キロ26.4キロ、駅数8駅を擁する路線です。朝夕は秋田市中心部に向けた通勤・通学輸送を担うほか、「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産登録になった男鹿のナマハゲや寒風山などで知られる男鹿半島への観光アクセス路線です。
今日では、男鹿線(愛称:男鹿なまはげライン)と呼称されていますが、建設当時は船川軽便線(後に船川線に改称)として、船川港の近代的整備と、その貨物輸送を目的として建設が進められ1916年に全線が開通し、船川港という立地上から、現在の男鹿駅は船川駅として開業しました。
その後、男鹿半島が県立自然公園として指定され観光客の利用機会が増えたことから1968年に線名と駅名をそれぞれ「男鹿線」「男鹿駅」に改めています。
開業時の駅周辺は、築港による埋め立てで整備され、列車は海上に建設された防波石垣の上を走行していました。近年では市街地化が進み、痕跡を辿るのは難しくなっていますが男鹿駅を発車してから進行右側方面には、寒風山で産出される男鹿石で組み立てられた約800mに及ぶ防波堤の名残を臨むことができます。
右下部のコンクリートが防波堤跡、かつてはここから日本海が広がっていました。
開業時から貨物輸送を担っていた路線でしたが、1936年の船川製油所の稼働にあわせて1937年には船川港線として船川港駅までを貨物線として開業しました。船車連絡によって利便性が向上し、船体側面までの輸送が可能になり貨物輸送の利便性が向上したことから、石油精製工業や木材加工業など男鹿市臨海部に広がる工業団地形成へとつながり、近年では国家石油備蓄基地の整備へとつながっています。近隣には、小坂精練や日本鉱業船川製油所への専用線が形成され、発着する列車は小坂鉄道小坂駅から濃硫酸の輸送が行われていました。
また、脇本駅には男鹿半島北部に位置する申川(さるかわ)油田からのパイプラインが伸びており、当駅からの石油輸送も実施されていました。貨物輸送は2001年のタンクローリーへの輸送切替に伴い、その歴史を閉じています。
脇本駅構内には貨物積載用の側線跡が残るほか、船川港廃線上に位置する道の駅「オガーレ」にはその歴史を伝える展示パネルや踏切が残されていますので、各駅を訪れる際はぜひご注目ください。
オガーレに展示されている船入踏切
オガーレ駐車場内には船川港線の信号機も保管されている。
脇本駅、駅舎からホームまでにも何本もの線路の跡
広い構内で、石油の輸送が行われていました。防風林側にも線路跡があります。
全長23.0km。東北屈指の名山「鳥海山」を仰ぎながら、40分をかけて全12駅をのんびりトコトコ走ります。由利高原鉄道の本社もある矢島駅は、1938年国鉄矢島線 羽後矢島駅として開業しました。当時は、鳥海山の木材や穀物などの貨物輸送を行っていました。その後、1985年に由利高原鉄道発足と同時に駅名を矢島駅と改称し、2000年に現在の駅舎に生まれ変わりました。東北の駅百選にも選ばれた、時計台がシンボルの木造駅舎です。
駅舎の中に入ると7月にオープンしたばかりの駅カフェ おばこ が皆様を出迎えます。さらに矢島駅名物の売店のまつ子さんや観光案内所での鉄印などローカルならではの賑わいが味わえる駅となっています。
駅を一歩外に出てみると目の前には鳥海山が現れます。町の中を散策してみると、生駒氏の時代に城下町として栄えた昔の面影も感じることができますよ。中でもおすすめは、ガイド付き矢島まち歩きです。矢島の歴史を知り尽くした“矢島見どころ案内人の会”の方と共に巡る矢島町は、過去にタイムスリップしたようなそんな情景が浮かんできます。
見どころ案内人の会の皆さま
オレンジ色のベストが目印
矢島見どころ案内人の会では、5人まで1,000円でご案内しています。人数が5名増えるごとに料金の方も500円加算されます。時間はゆっくりと町中を巡るためだいたい2時間ほど。心地よい秋田弁で話す矢島の魅力を目と耳と足で楽しんでみてはいかがでしょうか。
2021年3月、秋田内陸線「阿仁前田駅」は、「阿仁前田温泉駅」へ改称されました。もともと駅には「クウィンス森吉」と呼ばれる温泉施設が併設されていて、秋田県内では初の温泉駅として知られていましたが、駅に直結していてアクセスしやすい温泉施設をお客様にもっと知っていただきたという思いから駅名が改称されました。
施設を覗いてみましょう。大浴場、露天風呂があり、源泉かけ流しのお湯をお楽しみいただけます。湯冷めしにくく、体の芯まで温まると評判です。広い休憩所もあり、列車の待ち時間を利用して心身ともにリフレッシュできます。
以前は日帰り入浴施設でしたが、2017年12月には、宿泊もできるようになりました。内陸線の車両が自分の部屋から眺め放題の「トレインビュールーム」が大人気です。
現在、秋田内陸線沿線の温泉9施設をめぐる「お湯鉄のススメ~AKITAの鉄道温泉郷」企画を開催中です。温泉利用等の条件はありますが、各施設でもらえる「鉄道温泉カード」9種と阿仁合駅利用の際にもらえる「温泉鉄道カード」1種の計10種を集めると、先着100名様にシリアルナンバー入り秋田杉製のマイスターカードを差し上げています。
温泉巡りにぴったりなお得なタオルも各施設で販売中です。ゆっくりのんびり秋田内陸線沿線の温泉巡り、おすすめです。
東能代駅(秋田県)と、川部駅(青森県)を結ぶ五能線は「一度は乗ってみたいローカル線」として全国的に人気を博しています。奇岩に打ち寄せる波や、山々の美しい景色が見どころです。その中でも特に人気が高い、海岸線が続く絶景ポイントをご紹介します。
鳴り響く列車の走行音をBGMに、岩館駅(秋田県)~大間越駅(青森県)の間の車窓には、どこまでも広がる日本海と空の「青」と、世界自然遺産・白神山地の鮮やかな「緑」を眺めることができます。「リゾートしらかみ」は景色を楽しんでいただくため、この区間で速度を落としてゆっくりと走行しています。
四季折々の景色が楽しめる五能線。もちろん冬の景色もおススメです。雪化粧を施した山々と日本海が美しいコントラストを描き、まるで水墨画の中に入り込んだような景色を感じられるのではないでしょうか。
ぜひ五能線の絶景をお楽しみください‼
岩舘駅(秋田県)~大間越駅(青森県)
秋田白神駅(秋田県)~岩舘駅(秋田駅)
走行中の車窓からは、雄大な日本海と空、のどかで自然豊かな田園風景を眺めることができます。
ゆったりとした時間が楽しめる男鹿線の中から、3つのおススメ車窓をご紹介します!
天王駅~船越駅間にあるおすすめポイントが船越水道です。
八郎川橋梁を渡る時に見える男鹿大橋と、その先に広がる日本海の眺めは気分爽快!
さらに、反対の山側に見えるのは八郎潟防潮水門。広い水面に並ぶ多数のゲートが見どころです。
男鹿線の車窓から見える「水」の景色をぜひお楽しみください!
船越水道
八郎潟防潮水門
男鹿半島が誇る「寒風山」からの眺望は、世界三景の一つに数えられているとか。
脇本駅~羽立駅間では、その寒風山を眺めることができます。寒風山山頂からの眺めも最高ですが、車窓から、青い空を背景に映える寒風山もおススメです!
脇本~羽立駅間
起点となる追分駅から男鹿駅まで、男鹿線内各駅の駅名標にあるものが登場します。
そう、男鹿の代名詞「ナマハゲ」です!半島の最北端に位置する、日本海を一望できる絶景スポット「入道崎」を背景に、力強く構えるナマハゲが描かれています。
旅の記念に、駅名標と一緒に写真を撮るのも、おすすめです!
由利高原鉄道は、路線名でもある鳥海山ろく線の名の通り、沿線さまざまな場所から“鳥海山”を見ることができます。中でも12ある駅で一番良く鳥海山を見ることができるのが『曲沢駅』です。駅周辺からはもちろんのこと、車内からでも裾までしっかりと鳥海山を見ることができます。5月頃には田んぼの水面に映る逆さ鳥海山、6月には青と白のコントラストがとても綺麗な鳥海山を楽しむことができます。
おもちゃ列車では、車内にパノラマ席もあるのでぜひ車窓からの鳥海山を楽しんでいただきたいです。さらに曲沢駅とお隣前郷駅との間は田んぼに囲まれた一直線の道でもあるので車両先頭からの景色は、THEローカル線といったような眺めです。
撮影者:渡会 哲氏
もう一つ、鳥海山を綺麗に見えるスポットが前郷~久保田間です。羽後本荘発の下り列車にご乗車いただくと、車両先頭箇所より真正面に鳥海山を見ることができます。先ほどご紹介した曲沢駅は真横に見られますがこちらは正面。さらに近く、大きな姿の鳥海山になります。この駅間は、車内からでなく、道路沿いからも車両と鳥海山を同時に写真に収めることができるので多くの鉄道写真愛好家の方々がシャッターを切っています。
撮影者:渡会 哲氏
由利高原鉄道にいらした際は、ぜひ今回ご紹介した箇所からの鳥海山をご覧になってみて下さい。さらにこの他にも沿線様々な場所で鳥海山を見ることができるので、あなた好みの鳥海山を見つけてみてはいかがでしょうか。
今年も田んぼアートの季節がやってきました。全国でも珍しい、列車に乗って楽しむ田んぼアートです。
秋田内陸線から見られる田んぼアートの歴史を振り返りますと、一番古い田んぼアートは2009年(平成21年)仙北市で環境保全協議会のみなさんによってはじめられています。このときはこの地域1カ所でしたが、2012年(平成24年)からは、年により異なりますが、だいたい4~5か所で実施されています。今年も5か所の地域で田んぼアートの田植えが終了しています。
ところで、田んぼアートの稲はどのような稲なのでしょうか。実はあきたこまちのほか、5~7種類の異なる品種の苗を植えています。古代米のように穂の色が異なるもの、葉の色が異なるもの、これらの色の違いで絵を浮かび上がらせているわけです。
ですから当然、苗は手で植えます。毎年、それぞれの田んぼでは地域の方々のご協力を得て、苗の種類を間違えないよう、決められた場所に注意しながら植えているのです。
5か所の田んぼアートのひとつ、縄文小ケ田駅前の会場では、今年は北秋田市ふるさと大使「ハローキティ」と伊勢堂岱遺跡マスコットキャラクター「いせどうくん」が描かれています。ここの田んぼアートの取りまとめをしている秋田内陸活性化本部内陸線再生支援室室長の畠山孝秀(はたけやまたかひで)さんにお話を伺いました。「田植えをした職員の中には未体験の人も多く悪戦苦闘しましたが、無事に終わりほっとしています。毎年参加してくださっていた小学生の参加は、コロナの影響により2年連続でなくなりさみしかったですが、また歓声が戻ってくることを期待します。田植え後は苗の植え込みに差があり、補植の作業にも苦労しました。昨年は一部デザインを変更し、縮小して実施しましたが、今年はすべての会場で完全にできたので、ぜひみなさんにご覧いただきたいです。」
縄文小ケ田駅前以外の4カ所では、「マタギ」や「秋田犬」のデザインを見ることができます。見ごろは7月から9月上旬です。内陸線の車内から一番きれいに見えるように計算して作られていますが、田んぼアートは右側にあったり左側にあったりしますので、車内のご案内にもご注意ください。
内陸線公式HPにて、田んぼアートの定期的な生育状況を確認できますので、写真でもお楽しみいただけます。